受講者アンケートより~2025春「初級文法1」By 岩田 晶子 / 2025-08-29 2025春の「初級文法1」について 2025年4月から8月にかけて実施しました。受講者は3名で、今井さつきさま(30代女性)、Kさま(20代男性)、そして、S.T.さま(女子高生)です。平均年齢が若いクラスでした。 自分のレベルに合っているかどうか迷ったという回答がありました。講座を受講する際は、レベルが適切か事前に分からず不安に感じるかもしれません。そのため、アンケート結果などを読みながら想像していただくのが良いと思います。今回の受講者は、3名ともまっさらな状態ではありませんでした。2名は独学で学び、インドネシアで生活した経験がありました。目的や必要度、学習に割ける時間、デジタルリテラシーなどによっても向き不向きがありますので、興味がある方は一度ご相談ください。 講座への期待 期待に対しては、「初心者として学ぶ」が2名、「インドネシア語学習のペースメーカーとする」が1名です。「初心者として学ぶ」2名のうちひとりは独学だったので、もうひとりは、かつて住んでいたので、多少単語レベルでは分かるけれど、ということで「初心者」を選んだそうです。独学では何をどこまで勉強すると何ができるのか、自分で判断することは難しいので、この講座はペースメーカーになると思います。少人数で楽しく学べる、と思っていただけたのは嬉しいです! 満足度 全員から文句なしで納得していただけたのが、eラーニングコンテンツ(教材)とZOOMセッションの両方があることでした。コンテンツだけではよくわからない部分を質問でき、補足説明があり、おしゃべりなどのやり取りがあると、安心感が増すと思います。下の補足説明にある「勉強仲間の存在」は、普段の生活における勉強仲間の存在の有無によって評価が分かれると思います。この方は、日々仲間と議論することができる環境にあるため、このような感想になったのではないかと思います。周りに勉強仲間がいない人にとっては、この時間でも仲間を感じるかもしれません。 eラーニングコンテンツの良さ 今回は、参加者のデジタルリテラシーが高いことを加味してお読みください。自分のペースで勉強ができること(2)見返すことができること絵があるのでイメージしやすいこと予習してからZOOMの講義に臨むので深く学べたこと自分で回答を実際に書くのでスペルミスや文法ミスを身体で覚えることができたこと発音がすぐ聞けることeの発音をすぐに確認することができること作り込まれていて、非常に進めやすいことこれまでも、コンテンツについて、特に20代の学習者からは「その場で音声を聴けてよい」という回答が多く見られます。非常勤で教えている大学でもeラーニングコンテンツを使うことがありますが、そのアンケートでも一番高評価となるのは、「音声がすぐに聞ける」です。次に評価が高いのが、「自分のペースで学習できること」と「スペルミスや文法ミスを確認できる」という回答です。今回のように10代から30代の学習者には、音で確認したい、文法やスペルの理解が正しいのかきちんと確認したい、というニーズが根底にあり、自分のペースで学習を進められると安心するのかもしれません。デジタルリテラシーが高いから、迷わず活用できているのかもしれません。 eラーニングコンテンツの不満 今度は良くなかったことについて質問しました。毎回、最初からスタートになるところ特になし手元に残るテキストがないこと予習で間違えた問題の履歴が消えてしまい、どこで躓いたか忘れてしまう復習の際に辿れるコンテンツがなくなってしまう「毎回、最初からスタートになるところ」というのは私の技術不足です。内部を複数の塊に分けるとうまくいくのだと思いますが、まだそこまでできません。皆さまにご不便をおかけしております。復習だと思って毎回やっていただけると嬉しいです。段々早くなりますよ。テキストに関するご指摘も、ごもっともです。学習者にとって、復習時に参照できる資料の重要性は十分理解しています。コンテンツと並行して使えるテキストの出版については、昨年から検討を重ねていますが、どのような形式が最適か、まだ慎重に検討している段階です。手元に残る形での資料提供は、私個人としても実現したい課題のひとつなので、具体的な方法を引き続き検討していきます。 ZOOMセッションについて eラーニング学習の弱点として、独学では継続が難しいのでは?という懸念点があると思います。そのため、ZOOMセッションを組み合わせながら進めています。その点について確認しました。ZOOMセッションが良い、という回答ですね。具体的な記述もありました。コンテンツでは絵や文章で学び、ZOOMでは正しい発音やインドネシアの知識が学べる実際に会話の練習をすることで、アウトプットができているか確認できた先生の言葉を聞き取ることができるか確認できる自分の不足箇所を知ることができた同期生がいることで目標ができて励みになったZOOMセッションがなければeラーニングも途中で挫折していただろう今回の受講者が、全員、積極的に学んでいたことがこの回答からも分かりますね。受講理由とも重なりますが、「使えるようにするにはどうしたらいいのか」を明確な課題として持っていたお2人は、その達成のために必要なことをしっかりと把握されていたと思います。コンテンツで多用している絵についてもコメントをいただき嬉しいです。初級レベルには必要な要素だと考えています。 フィードバックの有効性 eラーニングのコンテンツでは、フィードバックが重要だと考えています。受講者の方もそのように感じていたのか質問してみました。間違えた時はなんで間違えたのかを確認できて良かった全て読んだ。回答だけではない情報によって記憶が定着しやすかったのでとても良かった狙いが伝わっていて嬉しいです。特に学生さんは、このコメントをわざわざ書いてくれる人が多いですね。その場でフィードバックがあることで学びが深まることを、他の科目の学習との比較から感じるのかもしれません。「非常に有効。分かったつもりになっていても、実際に尋ねられたりする中で~」の回答については、コンテンツではなくZOOMで私が質問した内容かもしれないですね。実際に「分かったつもりになっていても、~」の内容については私も同じように感じます。振り返ってみて「分かったつもりになっていた」と気が付くところが素晴らしいです。 他にどのような説明が必要? 初級文法の項目として、他に期待していたことを質問しました。特にない独学で既習項目が多かったのでスムーズに理解できた最初からこの講座を受けていればもっと楽だったと思うyangやsajaといった頻出かつ複数の用法がある単語については、もう少ししっかり理解したい最初からこの講座を受けていればもっと楽だったか、については人によって異なるかもしれません。毎日30分の学習時間を捻出できればお勧めですが、それが難しい人にとっては、一度ざっくり学習してからの方が良いかもしれません。yangやsajaなどの「もう少ししっかり理解したい」項目について、同様の意見はよくあるので気持ちはわかりますが、やはり段階的に学びましょう。yangは奥が深く、ベテラン通訳でも要不要の区別が難しいことがあります。 音声について 音声教材の活用状況について確認しました。音声教材は助かった。Rを何回も聞いて繰り返したeの発音など実際に聞かないとわからないものも多かったので助かったイントネーションもなかなか知ることができないので助かった音声がすぐに聞けることがeラーニングで一番良い点だった学校の英語の学習で取り組んだであろう音声教材の活用方法がいいですね。とても新鮮だったのですが、今回の受講者は、全員、丁寧に音声の確認をしていますね。だからさらに耳がよくなるのだと思います。勉強になりました。そして、確かに、イントネーションなどは文だけ読んでいても分かりませんね。活用していただけて良かったです! 良い点&改善点は? 良い点・改善点について、具体的なコメントをいただきました。他の受講者の話や質問を聞いて知識が増えたインドネシアのリアルな生活について知ることができた昨年より格段にコミュニケーションが取れるようになった買い物や支払いのやり取りがスムーズになった質問文を臆することなく話すことができた実践的で活用できる学び今後の講義で動詞を学びたい脱線の話が良かった学んだ文法を使った会話の練習がもっとしたかった学習目的が受講者毎に異なるので、最初の自己紹介の場でもう少し分かり合えると良かった楽しかった総じて、好意的なコメントが多かったです。10代の参加者は、お兄さん、お姉さんの熱くてまじめで楽しそうな話題に刺激を受けたと思います。物おじせず、しっかり予習をして、ZOOMでも発話に参加していて立派でした。前半と後半では「会話」についてのコメントが正反対に聞こえるかもしれませんね。前半のコメントを書いた受講者の方は、昨年と今回のインドネシア滞在時に、一日を通して仲間とずっと話をするような状況にあるように思います。「適切な伝え方が分からない文」が明確で、不明点を講座の中で確認されていたので、今、インドネシアで表現力が向上したことを実感しているのだと思います。一方で、後半のコメントの受講者の方は、インドネシア滞在中に聞くインドネシア語の量が、前者と比べると少なそうです。やり取りの内容も前者と異なると思います。そのため、「もっと会話の練習がしたかった」と感じられたのだと思います。一般的には、前者のパターンの方がやや珍しいですね。この例に見られるように、学習目的やインドネシア語のニーズによって、同じ講座を受講しても、良いと感じる点は異なります。ただ、全体的な傾向としては、真剣に取り組み、「この学習方法や、この理解で合っているのか分からない」と悩むほど自分なりに学習している方は、(どのレベルであっても)私の講座で疑問点が氷解するのか、その後いったん伸びます。今回の前者の方は、そういう状態だった段階で受講されていました。私自身も感じていますが、語学学習は螺旋階段のようなものだと思います。レベルが上がるたびに、同じように、疑問や停滞感を経験すると思います。しかし、そのつど適切なサポートがあれば、また新たな成長を実感できると思います。それもまた、楽しみのひとつですね。 最後の感想に、具体的に話せるようになったことを列挙してくださいました。 「初級文法1」を受講して、ここまで話せるようになったという喜びの声は、これまでいただいたことがありません。タイミングも合っていたのだと思います。「インドネシア語話せるんだね!」っていいですね。喜びにあふれるコメントをいただき、私も嬉しいです。今度は動詞を増やして、周りの人を驚かせましょう! 全体的に和気藹々とした雰囲気で、インドネシア語の学習をしながらも3名とも楽しい時間を過ごせたと思います。皆さまの積極性のおかげと、心より感謝しております。ご参加いただき、ありがとうございました。また、アンケートにもご協力いただき、ありがとうございました。 2025秋_初級文法2 秋期は「初級文法2」を開講予定です。「初級文法2」は、動詞を中心に勉強します。インドネシア語の基礎、つまり名詞文、形容詞文や数字、時間の表し方が分かっている方にご受講いただけます。文法の講座なので、「理解」に重点を置いています。日程はまだ確定しておりません。9月上旬までにご連絡いただきましたら、日程も含めて調整することが可能です。興味がある方はこちらからお問い合わせください。