気がついたら桜も満開になっていました。あっという間に新学期の季節ですね。
オンライン講座は、この冬から春にかけては2つ開講しました。ひとつが「総合講座」、もうひとつは「2023年『通訳基礎2』春」です。途中経過をこちらで報告するつもりでしたが、気がついたら「総合講座」は先日10回目を迎えてしまいました。アンケート結果は改めて掲載する予定ですが、その前に春期講座をご案内します。
2023年春期は、「初級講座1」、「総合講座」、「通訳基礎1」を4月下旬から7月末までの10回講座で開講を予定しています。「総合講座」は開講が確定しておりますが、「初級講座1」と「通訳基礎1」は受講希望者が4名以上いた場合に開講します。
それぞれの説明は下記の通りですので、興味のある方はご一読のうえ、参加を希望される方は4月10日までにお問い合わせフォームよりご連絡ください。開講の予定について改めてご連絡いたします。「総合講座」をご受講される方はこちらからお支払いください。
総合講座
恒例の講座です。コンパスなどの記事で300ワード程度の分量をマテリアル(教材)として用います。語彙をまとめたものや設問、指定した単語を使った作文問題が事前に配信されるので各自取り組み、オンライン講座の日に解説、というように進めています。
毎回何かしら改良しており、2022年秋期講座では2点工夫しました。ひとつは設問を設けることにしました。これまでの講座を通して、設問がないと難しい箇所を読み過ごしてしまいがちだということが分かりましたので、注意して読んでほしいところを明確にするようにしました。
もうひとつは、作文してもらうために指定した単語について、単語の意味を伝えるだけでなく少し解説を加えています。オンライン講座の日に、チャットで提出された作文を見て、「文法的には合っているけれど文脈として不自然」とか、「この単語には作文で使用されたような意味が確かにあるけれど、使用方法が適切ではない」など伝えています。詳細に添削する場ではありませんが、このようなことは人から指摘されないと分からないので勉強になる、という意見をよくいただきます。
2023年春期講座に向けた新たな工夫は、音声教材の追加です。e-ラーニングコンテンツとして、音声を聴きながらマテリアル(教材)の文字を追うことができる形で教材を提供します。学習者はマテリアルを読む際に、画面上の▷(再生ボタン)をクリックすれば音声が聞こえるようになります。目と耳を使うので、リーディングとリスニングを一度に学習することができます。もちろん、音声なしで文字を読むこともできます。
インドネシア語ではこのように工夫された教材はあまりないので、効率よく学習を進めていきたい方にお勧めです。価格は据え置きにしますのでお得になりました。
特にレベル設定をしているわけではありませんが、主な受講者は、インドネシア語技能検定試験のC級挑戦者とC・B級合格者です。B級合格者にはやや簡単だと思いますが、定期的に学習するのが難しいという方、他の方と一緒に学びたいという方には選択肢のひとつになると思います。
「初級講座1」
ABCの読み方から始まり、「私は先生です」、「私たちの娘は6歳です」、「これはいくらですか?」、「あなたの自転車は私の自転車よりカッコいいです」など、10回で基本的な文法を学び、自分で文章を作る練習をするという内容で学習します。名詞や形容詞を用いた基本的な文章を学びます。インドネシア語を全く知らない初心者でも問題ありませんし、一度は学習したもののなかなか定着しないのでやり直したい方にもお勧めです。
文法を学び、例文を読み、練習問題に取り組む、という形で進めます。イラストを多用し、音声つきの教材です。効率よく単語を学習できる単語学習アプリQUIZLETと紐づけてあるので、単語学習も手軽に行うことができます。事前に配信しますので、各自学習を進めていただき、オンラインの日にスピーキングなどのアクティビティを行う他、内容確認を行うという形で進めます。こちらもe-ラーニングに適した形で提供します。
「通訳基礎1」
この講座は、基本的には通訳経験がある方を対象としています。事前にレベルチェックテストを受けていただきますが、主な受講者はインドネシア語検定B級合格者です。(インドネシア語検定を受けていない方もいらっしゃいますが、レベルチェックテストで判断します。また、「通訳基礎2」を受講する前にはこの講座を受講していただくため、A級合格者も受講されています。)簡単な通訳はできるけれどレベルアップしたい方を対象に、逐次通訳演習を行い、それに対して具体的なフィードバックをします。必要に応じて文法事項の確認などを行います。
インドネシア語の上級レベルを学ぶうえでは、何をどうしたら良いのか分からず行き詰まりを感じるとおっしゃる方が多く、そのような方に学びのプロセスの道しるべを提示するような形で進めています。ひとりで悶々とされている方にお勧めです。
通訳をする場面はさまざまですから悩まれるポイントは必ずしも同じではありませんが、志を同じくする方々と学ぶ機会はあまりありませんので、やる気を奮い立たせる良い機会になると思います。
(ちなみに「通訳基礎2」は「通訳基礎1」を所定のレベルで修了された方を対象に開講しており、主にA級合格者が受講されています。)
2023年「通訳基礎2」春
こちらは「通訳基礎1」を修了した方で、通訳能力向上を求めて日々努力する方々が受講されています。当初は2名でスタートしましたが、諸事情により現在は1名で進めており、現在進行中です。次回開講する場合は、秋か冬になります。
この講座では、すでにe-ラーニングコンテンツを配信しています。現時点ではまだやや手際が悪いのですが、コンテンツとしては十分に使いやすいものになっています。また、パソコンだけでなく、スマホからでも画面がスムーズでストレスを感じにくいものになっています。通勤時間など、ちょっとしたスキマ時間でもアクセスしやすいように工夫してあります。
今回は何をどのように勉強するとどのような力がつくのかを、具体的に段階を追って学べるようにカリキュラムを組み立てています。日>尼、尼>日どちらに偏ることもなく、どちらも力がつくような内容にしました。
毎回課題が出され、課題に取り組む中で通訳パフォーマンスに対する自分の問題点に気がつくようにしていますが、これは自分に向き合うことになり、苦しい作業のひとつだと思います。ただどの課題についても、狙いや目的がありますので、それが分かると学ぶ楽しさも感じられるのではないかと考えています。
インドネシア語は学び始めは簡単で、覚えた分だけ通じるようになるのでとても楽しいのですが、中級レベルを過ぎた頃から急に難しくなります。
特に通訳者としてインドネシア語を用いるうえでは、単に会話をしているわけではないため、ビジネスシーンにおいても通用する話し方を身につける必要があり、それは一般に思われているほど簡単ではありません。ひとつには、ある程度のレベルの文法が使いこなせないと知的に聞こえないという問題があると思います。ただ、そのような文法事項を暗記したら対応できるのかというと、用いる語彙レベルを状況に合わせて変える(言語使用域を考える)必要があり、そのためにも語彙力増強が必要となってきます。
一般に語彙力増強というと、専門用語や難しく聞こえる単語を覚えようとする方が多いのですが、インドネシア語で難しいのはやはりなんと言っても動詞だと思います。そのために何をしたら語彙力を増強することができるのか、考えてもらいながら進めています。厳選した語彙リストであってもそれを覚えるだけでは、自分で使えるようにはなりません。この講座を受講し終えた後も、自力で必要に応じて語彙を増強することができるよう考えてカリキュラムを組み立てています。
スケジュールと料金
講座名 | 曜日・時間 | 開講日 | 料金 |
総合講座 (10回講座) |
日曜 15:30-17:00 |
4/23, 5/14, 5/21, 6/4, 6/11, 6/18, 7/2, 7/9, 7/23, 7/30 |
55,000(税込) |
初級講座1 (10回講座) |
曜日・時間未定 |
日程は、受講者の希望に基づいて調整 (最少開講人数4名) |
44,000(税込) |
通訳基礎1 (10回講座) |
曜日・時間未定 | 日程は、受講者の希望に基づいて調整 (最小開講人数4名) |
132,000(税込) |
いずれの講座の受講者も日本語の新聞、一般書籍の読書量を増やしてください。
いずれの授業も課題が出されます。学習効果を高めるために予習・復習が必要となります。
ご受講を検討される際には、「よくある質問」と「ご受講にあたり」もお読みください。
開催日時は基本的には上記記載の通りですが、本業である通訳業の都合により、場合によっては休講にさせていただく日が生じるかもしれません。その場合は、受講者全員が参加できる日時で別途実施いたしますので、予めご了承ください。
「通訳基礎1」は、事前にレベルチェックを行う必要があり、結果次第で他の講座をお勧めする場合があります。そのため、迷っていらっしゃる場合でも、4月10日までにこちらよりご希望をお知らせください。また、4月10日以降15日までの間でレベルチェックテスト(約1時間)を受けられる時間をご予定ください。
まとめ
このように初級から上級までそれぞれの段階に応じて狙いがあり、必要な内容をポイントを絞って教えています。e-ラーニングコンテンツにつきましては、他機関で実施している通訳研修でも使用しており、学習しやすいとの声をいただいております。インドネシア語を学習するうえで、これまでとは違う形で学べる機会です!