受講者アンケートより~2023秋「総合講座」By 岩田 晶子 / 2024-04-04 2023秋「総合講座」の特徴 2023年9月下旬から2024年2月中旬までの期間に10回実施しました。秋には私の通訳業務が多くなるため、秋期講座は毎年、実施日が少ない月が生じます。今回は受講者数が3名と少なかったこともあり、通常よりも「作文」の解説に時間をかけることができました。受講者は、60代女性、50代女性等でした。 受講の期待と決め手 受講者は3名とも、受講については迷われていませんでした。期待する内容は複数回答で下記の通りでした。 決め手は次の通りでした。講座では、ひとつの文から何を学ぶことができるか、を意識しています。学べることは単語や構文だけではないため、時間の制約はありますが、受講者が疑問に思いそうなことを伝えられるようにしています。 講座の満足度 「講座に期待すること」の選択項目に対する満足度です。すべて満足していただけたようでした。 音声教材活用方法 総合講座のコンテンツはシンプルですが、今回は、音声をダウンロードできるようにしました。その結果、速度調整ができるようになったほか、WiFiがない場所でも音声を聞くことができるようになりました。移動中や海外からアクセスしている方などWiFi環境が良くない時にも学習したい方がいらっしゃいますので、そのような時に活用しやすくなりました。 マテリアルについての感想 毎回コンパス紙から教材を選びますが、今回は、実施前からやや易し目のものを選ぶことにしていました。 2024年春期講座では、これよりも難し目のマテリアルを選ぶ予定です。詳しくは、最後にお伝えします。 学習時間 どの講座もですが、皆さまとても真剣に勉強されています。勉強した分だけぐんぐん理解できるようになるかというと、学習段階やネックになっているもの次第では、時間をかけても思うような伸びを感じられないこともあると思います。しかし、学習時間は裏切りません。少なくとも私自身はそのように感じています。時間はかかったとしても、取り組んだ分だけ積み重ねとなり、ある時自分でもその伸びをきちんと感じられるようになります。 動画の視聴について 総合講座では、毎回ZOOMセッションを録画したものを視聴できるようにしてあります。期末試験があるというわけではないため、「視聴する、しない」は各受講者のニーズや時間に合わせていただいて構いません。 2024春期「総合講座」の特徴 今回は、新しい試みとして、記事全体としては800ワード前後あるもののうち、300ワード程度を対象とします。記事全体を読んだ方が流れが分かりやすいほか、日本語にする上で全体像が分かっている方が取り組みやすいと考えたからです。ただし全体量が増えるので、読むのに時間がかかります。 今の時点でKOMPAS紙の記事を読むのがとても苦しい方には、さらに苦しくなります。したがって、大体は読めているけれど細かい部分の理解が合っているか不安な方にお勧めの講座になります。 春期講座の案内のページで、「翻訳ではない」と書きました。一般の方が考える「和訳」と私が考える「翻訳」は同じではない、つまり、私が商品として納品する場合の翻訳は、この講座で説明すること以外にもさまざまな要素を検討材料としますので、この講座に参加したからといって、商品としての「翻訳」ができるようになるわけではありません、という意味です。あくまで、原文の意味を適切に理解しているかを確認するために和訳をする、ということになります。 英語学習について、日本の中学や高校で和訳をさせるが、その学習方法は良くないという議論があります。私も同感です。では、なぜこの講座で和訳をするのかというと、やや複雑な内容の文を理解する場合には、組立がきちんと理解できているかが大切だと考えているからです。 和文を読めば、元の英文をどの程度理解しているのかが分かります。それと同じです。いちいち日本語にするのは時間がかかるので、KOMPAS紙を読めるようになりたいと考えている人でも、決めた範囲のどの文章もきちんと日本語にしている人はあまり多くないと思います。やったところで、自分がうまく日本語にできない部分だけ機械翻訳にかけて、心の中で「ああ、そういう意味か、なるほど」とつぶやいて次に進めている人が多いと思います。そのやり方では、いつまでたっても力はつかないと思います。機械翻訳の精度は確かに向上しましたが、少なくとも日本語-インドネシア語についてはまだ不十分な部分があり、肝心な部分を確認するには自分自身である程度の能力を有していなければ、その肝心な部分を直すことができないと考えています。独学では補いきれない部分を学びたい方には、今回のこの講座がお勧めです。