受講者アンケートより~2024春「初級文法2」

2024春「初級文法2」の特徴

2024年4月から7月までの間に10回実施しました。

受講者は5名で、全員が2023年秋期の受講者でした。

Y.Yoshiiさん(20代前半男性)、K.I.さん(20代女性)、R.I.さん(50代女性)、Kさん(60代男性)、他1名でした。

秋期に学んだ内容を定着させるために同じ内容を改めて復習したいという人が多く、全員がリピーターでした。

受講者5名のうち、4名からのアンケートの回答が得られました。お忙しいなかご協力いただき、ありがとうございました。

期待

受講者は全員、迷いなく受講を決めていました。

期待については、複数選択解答と自由回答があり、以下の通りです。

選択肢に「初心者として学ぶ」とありましたが、今回は全員「既習者」でした。失礼いたしました。

一番最後は途中で切れていましたが、「個人のペースで進められるe-ラーニングだけでなく、発話や質問の機会があるZOOMセッションの両方があること」です。

1-4の「どう表現していいかわからない表現について質問する」というのは、このオンラインセッションでの目玉のひとつでした。今期も期待していただけて、嬉しく思いました。

満足度

上記の「初心者として学ぶ」が選択肢と残っていたため、回答を迷われた方がいらっしゃったようです。

どの項目も比較的満足していただけたと思いますが、一番満足していただけたのが、「e-ラーニングコンテンツ+ZOOMセッション」でした。

 

レベルは?

コンテンツでは文法についてさまざまな説明をしていますが、受講者の実力を考えるとやや内容が難しいものも含まれています。そのことを踏まえて、コンテンツのレベルについて質問しました。

受験勉強や範囲が決まっているテスト前勉強とは異なるため、文法事項についても、すべてを理解して学習を進める必要はないと私は考えています。

勉強していると知りたいことは次々に出てくるものですが、分かるところから使っていくようにしていかないと、語学の運用力を高めることができません。そのため、この方法はレベルアップを目指す人には大切なことだと考えています。

この講座は誰にお勧め?

ほかの「読解講座」、「総合講座」、「通訳講座」と比べると、この講座は何が特徴的なのでしょうか?受講者の方に聞いてみました。

いずれもなるほどと思う回答でした。

1番目の「学習目的に応じて学習方法を提案する」ことは、私が得意とすることです。学習目的や学習環境はそれぞれ異なります。ですから質問していただければ、それぞれの目的に応じた適切な学習方法をお伝えします。

2番目に書いてある「特に丁寧な表現を学びたい方」は、「観光客や初級者として多少会話ができればよい」以上を目指す人と同じだと考えてください。

今回は、目上の方に質問する機会が多いということでしたので、より簡単な言い方もありますが、外国人として、普通の言い方や丁寧な表現を伝えました。

3番目の「初級既習者」については、ひと通り学んだ人であっても、この講座には学びがあるという意味だと思います。逆に言うと、ひと通り勉強していない方がこの講座を受講すると、少し大変だと思います。

勉強時間があるのでしっかり勉強したいという方、留学や長期滞在の予定があるので覚悟ができているという方には、初級者でも良いと思います。

4番目の「文法だけでなく、実践で使えるようになりたい人向け」というのはその通りです。講座のタイトルとして「文法」とありますが、特に今回は受講者のリクエストとして、話す時間がほしいということでしたので、そのように進めました。

回答はそれぞれ異なりますが、全体像がイメージできましたか?

講座内容

講座内容について、受講者の率直な意見が綴られています。

1番目は、講座全体を簡潔にまとめてくださいました。ありがとうございます。

2番目についてもその通りで、受講者のペースに合わせて学ぶことができるというのはこういうことだと考えています。

応用力を身につけたい方は、課題に時間をかけ、ZOOMセッション時に確認してください。そうすることで理解が深まり、応用力が身につきます。ただ、時間がない時は、ないなりに活用していただければと思います。

3番目については、コンテンツで説明する文法範囲の問題でしょうか?学習する単語や表現量とのバランスを考えると、「初級2」のレベルでこれ以上入れると盛り込み過ぎになるように思います。

「初級文法3」か「中級文法1」が必要だという意味では、その通りだと思います。

4番目の「自分でできる範囲で取り組みました」というのは嬉しい回答です。この講座に限らず、私の講座は単語や文法の知識の吸収がメインではなく、運用力につなげることを意識して内容を組み立てています。「書いてあることをすべて理解し、できるようにする」ことは難しいと思います。

語学の学習として私が大切にしているポイントは、「理解し、覚えることが最終目標にならないこと」です。もう少しいうと、自分で文を作ることが最終目標になってほしいと考えています。

受講者にはまじめで几帳面な方もいらっしゃいますが、何でも「学ぶ」というのは、キリがあるものではありません。自分で、「私は今回ここまで理解できるようにしよう」など、高すぎない目標を設定できるようにならないと、つまらなくなってしまうのではないでしょうか。

そのため、このように「自分でできる範囲で」というのは適切な勉強法だと思います。

音声教材

音声教材を活用していただけて嬉しく思いました。

2番目の、「インドネシアでの実生活におけるリスニング力が向上したと感じる」というのは、とても嬉しい報告です。今回の音声教材とリスニング力向上の因果関係はこれだけでは判断できませんが、音声教材は適切に活用するとそのような効果があるものだと考えています。だからこそ、時間をかけて教材を準備しています。

他の講座でも音声教材を準備していますが、受講者の活用の仕方が足りていないように思っています。各自のペースに合わせて学習していただければ良いので文句があるわけではないのですが、ひょっとして音だけ確認してるのでは?と思っています。(実際に回答を読むと、そのようですね、、、。)

リスニング力だけでなく、スピーキング力も作文力も文法力も上がります。インドネシアに行くことは叶わないけれど、インドネシア語運用能力を向上させたい方は、もっと音声を活用しましょう。

活用方法が分からない方は、次の講座で質問してください。

学習時間

グラフをすべて掲載するほどのことではないので、簡単にまとめます。

予習時間は1時間~2時間以上、復習時間は1~2時間という回答でした。予習・復習合わせて平均3時間程度です。

改善点

この講座の特徴がよく表れていると思います。

うなりながら、この回答を何度も読み返しました。

タイトルは「初級文法2」とありますが、受講者全員の「インドネシア人と今より会話のやり取りできるようになりたい」というリクエストに応じて、ZOOMセッションではそのように進めました。そういう意味では、上の2人の回答から、今回のやり方が「有効だった」と理解することができます。

相手の意図の違いを理解できた、「お腹がいっぱい」の表現を実際に使ったところその場がいい感じで収まったというのは、良い成功体験ですね。

そして、その下に書いてある「既に習得した表現であっても、インドネシア人が速いスピードで話すと理解が難しくなることが多々ある」の部分ですが、「実際の会話に近い状況での練習ができ、リスニング力や対応力が大きく向上した」とあります。「大きく」向上したかどうかはこれだけでは分かりませんが、「向上した」ことを感じたのだと思います。

これは、中学・高校時代の英語学習が語学学習のプロセスとして正しかったからだと思います。「こんなことをやっても意味がない」と不満を感じながら取り組んでいた宿題が土台となり、今、インドネシア語学習で活用できているのだと思います。

「使える英語」のために試行錯誤された中学・高校の英語の先生に感謝しましょう。また、音声教材の活用のポイントが身についているとこのような効果があると思います。

逆に言えば、他の方も、学習方法を変えるとこのような効果があると思います。

3番目は「もう少し文法の説明の時間が多い方が良かった」とあり、その理由として「時間配分が難しかったから文法の説明が少なかったのかも」と感じていらっしゃったように思いました。

語学学習について、これまでにどこかで書いていると思いますが、私が考える効率の良い学習方法について改めて説明させてください。

文法の解説を聞いて納得したり、新しい単語や表現についてメモが取れると「ちゃんと学べた」という満足感につながり、安心するのではないでしょうか?

私は「文法解説を聞いて理解しても、話せるようにはならない」と考えています。むしろ、文法的に間違っていたとしても、スピーキングの時間に、自分が知っている単語や文法表現を駆使することの方が断然有効だと考えています。文法をある程度学んだら、自分で思い切って使ってみましょう。

ただ、そのためには「場」が必要です。頭の中が真っ白になったとしても何とか言葉を紡ぎ出さねば、という緊張感が必要です。

「通訳基礎1」のアンケートの(下にスクロールして5つめの見出しの「語彙について(余談)」の部分です)のところにも書きましたが、「白黒の情報をカラーにする」ということが大事だと思います。

通訳者にとっての「白黒をカラーに」と今回の会話についてではレベルが異なると思われるかもしれませんが、情報をすっ飛ばして使えるようにする、という意味で同じだと思います。体で覚える、といってもいいかもしれません。

ダンスを例に挙げます。ある踊りをグループで踊るとします。1拍目で右手を上げ、2拍目で右手を左右に振り、3拍目で左足を前に出し、というような振付があったとします。

はじめはそれを順に覚えないといけません。でも、踊る時にいちいち体の動きを考えていたら、音やリズムに合いませんよね?

ひと通りの振り付けを頭に入れたら、必ず音楽をかけて音に合わせますよね?1回目は体が思うように動かず、練習して覚えたはずなのに「あれー?できてない」とがっかりするかもしれません。しかし、だからといって、いつまでも音楽をかけずに振付だけ練習するということはしないですよね?

それと同じで、考えて文を作っているうちは「会話」は続かないと思ってください。体で覚えるというのはそういうことです。「白黒をカラーにする」というのもそういうことです。

会話をする上では、「白黒の情報(文法)」を介さずに「カラーの情報(実際の発言)」につなげていくようにしなければ、「やり取り」になりません。ですから、話せるようになりたいのであれば、「白黒の情報(文法)」を増やすのではなく、「カラーの情報」にしていくための時間を増やさないといけません。

別の例を挙げます。例えば生け花の教室に通うとします。生け花では、基本の型やルールがあります。ですが、稽古では型やルールを学んでおしまいではなく、実際に花を生け、それを先生に見ていただき、何をどのように直すとよりよくなるのか、自分が生けた花に対してコメントがあると思います。

この花はこのように生けると良い、この枝はこう扱うと良い、という予備知識がどれだけあっても、それぞれの花の数やつき方、枝の癖、花器の形やバランスもあり、生けてみないとコメントできないことが必ずあります。そのコメントを聞くと、気づいていたけれどうまくいかなかったことや自分では気が付かなかったことが分かり、次につながります。

今回のZOOMセッションは、音楽をかけて踊ったり、花を生けるのと同じ時間でした。ですから、そこで「白黒情報」を増やしてしまうと、カラーにするために必要な時間がなくなってしまいます。情報があると安心すると思いますが、生け花の楽しさは、花を生けるところにあるのであって、そのための諸々の知識を得ることではないと思います。

ですから、時間配分の問題で文法の説明をしなかったのではなく、「体が動かないもどかしい時間」や、「実際に花を生ける時間」を経なければ「会話でのやり取りができる」ことにつながらないと考えているからです。

そうはいっても文法の質問がある場合には解説しますので、ZOOMセッションの時に遠慮せずに質問をしてください。

学割

どの講座も、学生さんは2割引きでご受講いただけますので、問い合わせフォームに学生であることを記載してください。

2024年秋期講座

秋期も「初級文法2」を開講します。2025年春期は「初級講座1」を開講予定です。

既習者であってもインドネシア語を文法から学び直したい方、インドネシア人ともう少しインドネシア語でやり取りができるようになりたい方は、秋期をお見逃しなく。

コンテンツで解決しなかった文法解説を希望される方は、ZOOMセッションの開始時に質問してください。

お申し込みをされる方、迷っていらっしゃる方はこちらよりご連絡ください。

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